Linux日本語入力迷走記:Mozcの追加辞書沼からAI変換「Hazkey」に辿り着くまで

Linux / Arch / IME

Linuxで文章を書いていると、どうしても気になるのが「日本語入力の変換精度」。あれこれ試して迷走した結果、最終的にAI変換の「Hazkey」で快適な環境を手に入れた話。


1. 「mozc-utなんか微妙かも?」から始まった

 Mozc よりも語彙が多い mozc-ut を使っていたのですが、「変換精度が今ひとつだな…」と感じることが増えた。

mozc-utの変換誤解メモ
▲ 「返還」とか普段使わない誤変換に悩まされていた

法律用語ならともかく、日常文章で「返還」が最初に出るような変換にら不満が。。。ユーザーなら誰しも遭遇しているのではないでしょうかね。



2. with-jp-dict 時代:巨大辞書の沼とシステム構築

「語彙数が足りないから変な変換になるのでは?」

と考えた結果、AURにある巨大サイズ辞書を取り込んだ fcitx5-mozc-with-jp-dict を試してみることにしました。

yay -S fcitx5-mozc-with-jp-dict


with-jp-dict 感想

苦労して夜通しビルドを終えて使ってみたものの、Mozcの収録単語数を増やしても変換精度が良くなるわけではなかった。 jp-dict は変換候補に絵文字が優先して出てくるなど、かえって使いづらくなったなと感じたのだった。




3. mozc-ut へ回帰。辞書を絞り込んでビルド

巨大辞書は逆にノイズが増えるということで、再び mozc-ut に戻ることに。ただし今回は全入れするのではなく、ノイズの原因になりやすい辞書を外してカスタマイズビルドしました。このあたりはAIに相談して決めた。

大切なことはインストールするアプリ。mozc-ut fcitx5-mozc-ut それぞれをインストールさせること。

yay -S mozc-ut #PKGBUILDを編集する ※後述

yay -S fcitx5-mozc-ut



PKGBUILD の辞書絞り込み設定

alt-cannadicskk-jisyo を除去し、必要な辞書だけに絞り込みました:

cd $HOME/.cache/yay/mozc-ut
vim PKGBUILD

# ENABLED_DICTIONARIES の設定内容
ENABLED_DICTIONARIES=(
 'edict2'          # 英語・英単語補完
 'jawiki'          # Wikipedia見出し・固有名詞
 'neologd'         # Web新語・カタカナ語
 'personal-names'  # 人名
 'place-names'     # 地名・住所
 'sudachidict'     # 現代日本語・複合語
)
# alt-cannadic と skk-jisyo は削除して無効化

makepkg


辞書を絞った Mozc-utはまぁある程度で、しばらくは満足してメイン運用していました。元に戻った気もする。誤変換はユーザー辞書を活用するのはどうかとAIから提案を受けた。

  1. 自分の書いた文章の頻出単語をmecabで形態素解析して語句毎に分ける
  2. 出現頻度で上位にあるものをリストアップして、Mozcのユーザー辞書にぶち込む

UT辞書で語彙数はカバーできているから、ビルトイン辞書に自前辞書を突っ込んでビルドするのではなく、変換候補として優先されるユーザー辞書に自前リストを登録することで、棲み分けしておバカ変換をなくせば快適になるとのこと。


完全に単語だけ複数収録するのではなく、

変換したのだった

のように多少文章になっても頻出ならば、文章ごと登録するのもひとつの方法らしい。単語と単語の組み合わせとか単語と助詞の組み合わせが効果を発揮するらしい。

確かに、mecab sort uniq cut grep を使いまわせば簡単にできそうだなと思い始め、スクリプトを書いていたら・・・・・・・、見つけてしまった!



AIライブ変換IME!



4. そして現在:AI変換「fcitx5-hazkey」でQOL爆上がり

https://hazkey.hiira.dev/

Mozc-ut カスタムで落ち着いていたところ、変換エンジンにAI(Zenzaiモデル)を使う fcitx5-hazkey の存在を知り、試してみることにしました。


yay -S fcitx5-hazkey-bin hazkey-zenzai-model

バイナリ版(-bin)を使ったのでビルドは一瞬。すぐに使い始められる。使ってみると遅延は全く感じず、文脈に合わせた自然な変換をしてくれて驚きました。QOL爆上がりであった。使用レビューは、

  1. 遅延は感じない。びっくりするほど快適。
  2. 現状 きょう ⇒ 2026/08/23 のように日付変換はできない。
  3. 郵便番号変換などもできない。
  4. “(ダブルクオテーション)は、全角入力中にも自動で半角の”にしてくれる。これいいじゃないか。
  5. 打ち込んでいる際中からライブ変換していってしまうので、何を打ち込んだか分かりづらい時がある。

Hazkeyは入力中にリアルタイムでライブ変換していくため、タイプミスをすると、

「あれ?いま何を打ち込んでいるんだっけか」

と、混乱する事があるのが気になる点。これは設定変更で解決できた。



弱点を「補助テキスト」で克服する

補助テキスト表示の設定

▲ Hazkey設定画面で「補助テキストを表示」を “常時” に変更

補助テキストの実際の表示
▲ プレエディットとは別にポップアップ上段に「ひらがな」が表示され、タイピングが快適に


スタートメニューの Hazkey 設定から、補助テキスト表示を「常時」にしておくと、変換ポップアップの上段に打ち込んでいるひらがなが表示されます。

タイプミスした時のやり直しも一目で分かり、めちゃくちゃ使い勝手が良くなりました。



🔄 これまでの日本語入力(IME)変遷まとめ

  1. mozc-ut(初期):変換精度に不満を感じる
  2. fcitx5-mozc-with-jp-dict:巨大辞書を夜通しビルドするも、絵文字優先などで微妙かも
  3. mozc-ut(辞書絞り込み):不要辞書を削って再ビルド。これでいいとは言えない気がする。
  4. fcitx5-hazkey(現在):AI変換の賢さと速さに感動。補助テキスト常時表示で完全体に!

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